FC2ブログ

いかぽのしまのしま

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

美樹と横浜  1980

「なんで 出てくのよ!!」


美樹はモロゾフのカウンターで声を荒げた。


モロゾフは横浜駅の地下街の端っこにある小さなお店。
隠れ家みたいな雰囲気が私たちは気に入っていたのだ。



美樹の横顔は怒っている。
いつもこうだ。
彼女とは喧嘩ごしになってしまう。



けれどそういう美樹だって4月から女子美寮に入っている。
自分だって出て行ったじゃないか。



もう横浜はうんざりなんだ、この街の重さが耐えられない、と、私は話し続けた。



「あたし 帰るわ」
しばらくの沈黙の後、美樹は、カウンターに小銭を置いて立ち上がった。


私は急いで目の前の紙ナプキンにメッセージを書いた。


それでも私はヨコハマが一番好きだよ  


「知ってるわ 馬鹿!」


彼女は怒鳴って、店を出て行った。




それから数週間して、私は故郷に別れを告げた。







PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。