2008/06/30 (Mon) あーちゃん

あーちゃんは

小川祐子という名前で、私の最初の親友だ。

あーちゃんは、とびぬけて美人で、背が高く、色が白かった。

スポーツは万能、勉強もできて、皆の憧れの的だった。

グループのなかで付き合っていたのだけど

ぬけがけして、二人だけで遊ぶようになったのだ。

私はちょっと嬉しかった。



あーちゃんには3才上の、ちょっとするどいお姉さんがいたので

音楽のことも、面白いラジオのことも、漫画のことも、

みんなあーちゃんから教わった。

ビートルズ、古井戸、まりちゃんズ、山上たつひこ。

あーちゃんは次々と新しい世界を教えてくれた。



人生初めて、大人無しで、地元(横浜)から抜け出したのも、あーちゃんとだった。

最初に行ったのは、中学2年の時の鎌倉巡り。

ちょうど今頃の季節だった。

早朝の東慶寺は、

門番がいなかったので、拝観料がタダだった。

嬉しくって、誰もいない境内を、二人で駈け上がった。



建長寺も誰もいなかったので忍び込み

お堂の廊下に座り、家から持ってきたおにぎりを頬張った。

素晴らしい朝御飯だった。



鎌倉の小町通りでは

薔薇がシンボルのコーヒー専門店に入った。

真っ黒で、とても洗練された店内では、

カウンターに座り、サイフォンでコーヒーを淹れてもらった。

二人ともあんまりお喋りしないで、ちょっと大人の気分を味わった。



由比ガ浜に行く途中では、「ギルド」という雑貨屋で

二人でお揃いの記念品を買った。

木に絵が彫ってあるブローチ。

私は紫陽花の柄のものにYUKAと、

あーちゃんはYUUKOと彫ってもらった。



ギルドって一体どういう意味なんだろう?と

二人で話し合ってから、もう、30年以上も経つんだね。



この日々を忘れないようにしようと何度も言い合って

ずっと友達でいようと何度も確かめ合ったけど

私たちは別れてしまった。



美しいことはいっぱい分かち合ってきたのに

小さな傷は乗り越えられなかったんだよね。




あーちゃんはいつのまにか遠いところへお嫁に行った。




この季節になると、時々、

紫陽花の咲いていた、あの日の鎌倉を思い出す。




だいすきなあーちゃん。

いつか、また、どこかで会えますように。







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comment











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みじ 

そっか〜。
その友達も、きっと、みじのことを思い出しているだろうねぇ。


恋愛と一緒で
あーちゃんは私の鏡だったなぁって思うの。
あーちゃんは真っ直ぐで、不浄を嫌う、堅いとこがありました。
どんどんふしだらになる(笑)私を、困ったように見守ってた。

でも、私がそういう人だったんだって今は思うよ^^

自分も友達もみんな愛しいよねー。

2008/07/02 00:08 | いかぽ [ 編集 ]


ゆめ 

> 傷はあっても認め合う、深い柔らかい部分で育む付き合い。


ありがと〜^^
こうなれたのは最近だねぇ。

バサバサ切ったり切られたりしたので、10代の友人は一人もいないの。


あーちゃんからは一回、20年前に手紙をもらったよ。
旦那さんは小学校の先生で、離島のあちこちを赴任するって書いてありました。

>普通の(?)良い家庭は、知らないうちに押さえ込まれてしまうんだと思うんだ。

そうね〜。
押さえ込まれるというのも確かにあるよねぇ。
穏やかな家庭に育った安定感みたいなのも、あるんだけどね〜。


私は恨むのは終わったよ。
二人の間でたくさんのことを学べました。満足!!

終わりよければ全て良し^^


>怖れの強い私も、そんなこと、この頃思います。


ゆめは
「私は怖れが強い」というのを外しちゃえば?

ゆめって、小さい子どものように人懐こいと私はいつも思ってます^^

2008/07/01 23:59 | いかぽ [ 編集 ]


 

あたしにも、そんな友達がいる。
彼女は2回の結婚に破れ、10代の頃の堕胎のせいで
望んでも子どもが出来ず
幸せに暮している友達を嫉妬して憎んで
あたしの前からも消えて行ってしまった。
けれども、彼女を思い出すとき
その思い出は、楽しく切なく、また彼女に会いたいなあ〜って思うのです。
そして彼女からの連絡をずっと待ち続けているのです。

2008/07/01 22:39 | みじ [ 編集 ]


いいね 

ゆかにはずっとそういう 人との付き合い方が身についてるよね。
傷はあっても認め合う、深い柔らかい部分で育む付き合い。


あーちゃんもきっとゆかのこと、思い出してるよ。


ゆかはお母さんにいじられた、って恨むけど、普通に育った人よりずっと楽で純な部分がある。
普通の(?)良い家庭は、知らないうちに押さえ込まれてしまうんだと思うんだ。
反発することも考えず。

ただ変わり者の家庭に育つ運命で、周りの目への怖れを過剰に植えつけられてしまうんだよね。
変わり者の親、本人達が自分が出会った事件から、子供を心配して過剰に植えつけようとする。

完全に突き抜けて生きていくのは、なかなか難しい時代だったのかもしれないね。

怖れの強い私も、そんなこと、この頃思います。

2008/07/01 08:07 | ゆめ [ 編集 ]


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プロフィール

icapo/森下由香

Author:icapo/森下由香
1962年 名古屋市で生まれる。
1966〜1980年 横浜市
1980〜1982年 長野市
で過ごす。
1984〜1987年 放送作家業。
1990年 漫画家・ラズウェル細木氏と結婚。
育児マンガ「パパのココロ」では母・イカポとして登場。
1998年 離婚(その後、現在の夫と再婚)
1993〜1996年 山手國弘氏主催「現代ヨガの会」参加。
1994〜1996年 山手氏主催「女性と子どもの夢宿」参加。
現在はラズウェル氏のアシスタントを勤めながら、拡大した家族と生活を送る。
珈琲とお昼寝がすき。
練馬区在住

2008年2月〜 スタジオD.Gにて「魔術師のタロット」を学んでいます。

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